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震災とデザイン

2011 年 7 月 1 日 金曜日

 震災から数ヶ月たちました。
改めて東日本大震災で被災された方にお悔やみを申し上げます。

震災後、デザイナーに何ができるか?というような活動を目にする機会が増え、デザイン情報誌でも特集されている。私の属するグラフィックデザインの業界でも様々な方が活動してる。

しかし、そのほとんどが復興支援のポスターであったり、節電の呼びかけポスターであったり、Tシャツなどを作ってその売り上げを寄付するというやや間接的な支援が多い気がします。もちろん中にはそうではない活動をされている方もみえるし、上記のような活動が悪いとは思ってませんが、もっと直接貢献できるようなことがグラフィックの世界でできないだろうかと感じてしまう。

では、デザインで直接貢献できることは何ができるのだろう…?

その答えの一つが「issue+design」が提案した「できますゼッケン」や

できますゼッケン

できますゼッケン

「JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)」が提案した「緊急物資の類別シール」などではないだろうか。

緊急物資の類別シール

緊急物資の類別シール


「できますゼッケン」は現地でボランティア活動をされる方が被災された方と円滑にコミュニケーションをとる為の支援ツールであり、類別シールはその名の通り支援物資を直感的に類別できるように工夫されている。厳密にいえば、現地ボランティアの方や物資を送る方といった支援する人を支援するツールなので直接貢献とはちがうかもしれないし、けっして格好のよいデザインではないかもしれない。しかし、より現地に必要なデザインであると思う。

 デザイナーだから、何か特別な方法で支援する必要などない。普段仕事でやっているような視覚化によるコミュニケーションをより具体的にすれば良い。いや、もっと重要なことは「何ができるか」と悩むのではなく「行動する」ことだろう。

私も、何かしら行動を続けていきたいと思う。
(文=T.Y)

驚きの「あ」始まりの「あ」

2011 年 5 月 19 日 木曜日

デザインあ

デザインあ


 NHKが今年4月、デザインをテーマにした子ども向け番組「デザインあ」をスタートした。この「あ」は驚きの「あ!」であり、50音の最初の言葉ということから物事の始まりという意味も込められている。「デザイン的な視点と感性を培う手がかりにする」ことをテーマにしたこの番組はデザインがデザイナーだけに必要なスキルではなく、その考え方、思考の過程が一般的に有益であるという思想に基づいている。

番組は子どもが見てもデザインがわかるよう、できるかぎり、明快な内容になっている。文字やナレーションはほとんど使わず、映像と音楽で伝える。また、子ども番組でありながらキャラクターが登場しないなど、デザインの本質を丁寧に伝えることを重点に置いている。どのコーナーにも明確なメッセージや答えがあるわけではない。親子で見たときにデザインについて話すきっかけが生まれるような内容になっている。デザインを通して世の中の面白さを伝える。ものの見方が深まり、これまで気づかなかったものに気づくという感覚を養う。

この番組が子ども達に「あ!」と新鮮な驚きと発見を与え、物事を考えるひとつのはじまりになってほしいと思った。
(文=K.M)